Pippi日記

本・音楽・軽井沢の徒然Blog

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神保町での戦利品。

先週、稽古帰りに出かけた神保町。

姉弟子や稽古仲間と一緒に、何軒か古本屋さんをハシゴし、
お茶と買い物を楽しんでまいりました。

今回の戦利品は以下の3つ。


高山本店さんで購入した「船弁慶」の能版画。
描かれているのは、後場のシテである平知盛です。

明治・大正の画家、月岡耕漁の作品。
無惨絵で知られる月岡芳年は師匠であり、義父でもあるそうです。

「船弁慶」なので、前シテの静御前も欲しかったのですが、
残っていたのは鵜飼や土蜘、老女物といった少々地味なものばかり。
鬘物の主人公などはあんまり残っておりませんでした。残念。
(そう考えると「當麻」は買っておけばよかったのか・・・)


ボヘミアンズ・ギルドさんの店頭で山積みになっていた、
古い『日本の美術』。

視界に入った瞬間、座り込んで物色してしまいました。
どれも100円だったので、ごそっと購入。


最後は、『観世寿夫著作集』1・2巻。

手塚書房さんのところに「何か入ってますかー」とうかがったら、
おすすめいただいたのがこれ。つい、買ってしまいました。

4巻まであるので、本当は揃いを買った方がいいのでしょうが、
そうなるとお値段も張ります。私には2冊でちょうどよかったかな。

そんなこんなで、個人的には良いお買い物ができました。

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『観世華雪芸談』と一枚のハガキ。

先日、神保町に行ってきました。
今回も能関係の本をいくつか買い求めました。

そのうちの一つが『観世華雪芸談』。


「観世華雪」は6世観世銕之丞さんが隠居後に使ったお名前。

匂い立つような鉄仙。
その背後にあるのは、観世水でしょうか。
戦後を代表する名人に相応しい、美しい装丁です。
以前、近現代の能楽史に詳しい方から勧められ、
ずっと欲しいと思っていました。

ということで喜んで買ってきたのですが、若干の後日談(?)。

最初の持ち主の方は、関係者の方から謹呈を受けたようで、
出版元の檜書店がその方宛に出したハガキが挟んでありました。
ハガキの内容は、本文に関する正誤表。
私信ではなかったので、本に挟んだままにしてくださったようです。

興味本位で宛名にあるお名前をぐぐってみると、
どうやら、非常に著名なある日本画家のお身内のようでした。
「確かに、能を題材にした作品があったなぁ・・・」と思い至り、
手にした本の来し方を、あれこれと想像してしまいました。

5円切手が貼られた一枚のハガキ。

古本というのは、時折、本としての存在価値とは別に、
ある種の物語を孕みながら、人の手を渡っていくのだなあと、
ちょっと感慨深い気持ちになりました。

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「観世家のアーカイブ」展@東大駒場キャンパス

先月29日、東京大学の駒場キャンパスで、
「観世家のアーカイブ」展を見てきました。


東大教養学部の正門。

この日の午前中はとてもお天気がよく、ぽかぽか陽気。
そのせいか、日曜のわりにキャンパス内はにぎやかでした。


正門を入ると、正面に時計台です。
旧制第一高等学校本館だった建物。



正門をくぐり、時計台の右手の方に、
展覧会の会場となった駒場博物館があります。

こちらも旧制第一高等学校の建物だったそうで、元は図書館でした。
その由緒に相応しく、重厚な雰囲気。


博物館入口。
会場内の撮影はNGなので、写真はここまで。


今回出展されたのは、観世家が所蔵している世阿弥自筆の伝書・謡本、
代々の観世大夫の手になる伝書・謡本の写本など。

残念ながら、重文の指定を受けている自筆謡本は、
すでに展示期間が終わっていて複製しか見られませんでした。
それでも、カタカナ書きの巻子を見て、感慨深かったです。
能楽史を勉強していれば、必ず出てくる有名な謡本。
応永期における世阿弥の活動を示す、大変貴重なものを間近で
見ることができました。感激。
世が世なら(?)私などが拝見できるお宝じゃないな〜と。

面白かったのは、江戸の観世大夫・元章による写本や謡本。
元章は、能の詞章を大幅に変更したことで有名な人です。
実際、ちまちまと小さい字で、細々とメモ(?)書き入れて
るんですね〜。学者肌というか、研究熱心というか。(笑)
キャラの一端を見たように思いました。

その他、現宗家の観世清和さんのパネルがあったり、
能装束を飾ったり、ビデオを流したりと、
小さい会場ながら楽しめる内容になっていました。

また、親切にも、目録には簡単な解説と参考文献のリストが
ついていました。
この辺り、無料の展覧会とは言え、東大の松岡先生の目が
行き届いている感じがします。参考にしよっと。

ちなみに、今回の展覧会は、観世家が所蔵する貴重な資料を、
観世アーカイブ」としてネット上で公開することを記念したもの。
研究者に知られていない、手つかずの史料もきっとあるでしょう。
観世清和さんの英断ですね〜。


さてさて、能楽の世界につかった後は・・・


帰り際、キャンパス内を少しブラブラしてみました。
あちこちで、イチョウが美しく色づいていました。


イチョウに囲まれた校舎。

私の母校は、ほとんどの校舎がコンクリート打ちっ放しで、
こんな風に、季節感が溢れる雰囲気はなかったですねぇ。
古い建物があるキャンパスって、いいもんだな〜と思いました。

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東博・日本ギャラリー、【特集陳列】能「紅葉狩」の面と装束


いきなり、能面ですが。

端正な顎、頬のライン、切れ長の目元、とても美しいです。
東京国立博物館の所蔵する江戸時代の能面「増女」。

ちょうど紅葉シーズンとあって、
東京国立博物館(上野)の日本ギャラリーでは、
「紅葉狩」関連の特集陳列が企画されました。
→「紅葉狩」のストーリーはこちら

江戸時代の能面・能装束を中心に能の展示をします。
今回は能「紅葉狩」をテーマに、登場する前シテの美女、後シテの鬼女、
ワキ方の武将・平維茂を演ずる際に使用する面・装束の組み合わせを
展示します。
併せて、能狂言絵巻に描かれる能「紅葉狩」を絵巻とパネルで紹介します。
                        (東博のHPより)

特別展と違い、平常展は写真撮影OK(一部を除く)。
照明が暗めなので、私の腕ではうまく撮れていませんが、
一通りデジカメにおさめてきました。

で、冒頭の写真に戻るわけですが・・・。

能面「増女」は、端正で気品のある表情が特徴。
女神や天女など、神様に近い役柄に使われます。


こちらが衣装の唐織「緑紅茶段青海波花熨斗扇夕顔模様」。

江戸時代(18世紀)のもので、女性の役が着る上着です。
源氏物語の「夕顔」をモチーフにした扇模様と青海波を組み合わせ、
とっても豪華でした。(写真より、ずっと色味は明るいです)


厚板(右)は「白茶段格子唐草菊水模様」、
法被(左)は「緑地唐花模様」です。
高貴な男性役の衣装です。


こちらも厚板、「紅緑段雲矢襖鱗模様」。
鱗文(△の文様)は、鬼女のシンボル。
デザインも色使いもハデハデです。


中央に展示されている能面は「(しかみ)」。
文字通り、ものすごい「しかめ面」をした面です。
さっきまでの美女が、このような鬼女に変わってしまうとは・・・


能狂言絵巻(下巻)の「紅葉狩」。
うまくフレームにおさまらなかったので、いくつかクローズアップを。


唐織を来た、神々しい雰囲気の美女が・・・


こうなっちゃうんですね〜。コワイコワイ。


あまり細かい説明もなく、ざざ〜っと載せてしまいましたが、
能装束や面の美しさを、何となく感じ取っていただければ。

「紅葉狩」の作者は、観世信光(世阿弥の甥・音阿弥の第七子)です。
足利義政、つまり応仁の乱の頃の人ですね。
世阿弥の魅力である「幽玄」とは対照的に、派手で、分かりやすいのが
信光の魅力。

今、稽古の方でも「紅葉狩」をやっているので、
他流ですが、今週の公演@国立能楽堂でしっかり勉強してまいります。

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発表会、その後。

おかげさまで、先週末、無事に発表会が終わりました。

足を運んでくれた友人・知人の皆さん、ありがとうございました。
本当に嬉しくて、緊張するより勇気をたくさんもらいました。
心から御礼申し上げます。

さて、当日の出来ですが・・・

連吟が終わって切戸(舞台右手奥のくぐり戸)に引っ込むと、
先生方が「本番が一番良かった!」と笑顔で迎えてくれました。
仕舞の方も無事に終わり、まずは安心してくださったようでした。

感激したのは、打ち上げ。
初心者がよく分からないなりに、ただただ一生懸命に稽古する様子を
先生がとても喜んでくださっていたことを知りました。
しみじみと温かい気持ちになりました・・・。

それから、良い思い出になったのは、母の袋帯。
フォーマルな着物を持っておらず、稽古仲間に色無地を借りたのですが、
帯だけは母のものを締めました。
写真やビデオを見ると、着物の色にぴたりと合っていましたね〜。
見せたら、きっと喜ぶんじゃないかな。

興奮冷めやらずで、とりとめのないことを書いてしまいました。
今回は小さな一歩を踏み出した、ということで。
この気持ちを忘れずに、五年十年、続けていけたらと思います。

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本番までのカウントダウン。

本番まで、残すところ約2週間。
普段ゆるゆるな私が、毎日カレンダーを気にする10月下旬です。

何の「本番」かというと。

謡と仕舞の発表会です。
あれから約半年が経ちましたが・・・
ちゃんと、お稽古に通い続けていたのですよ〜。

そして、先生のご好意で同門の発表会に出させていただくのでした。

いろいろ考え始めると、ホントに緊張してきますが、
超初心者ですから、下手クソなのは当たり前。
ならば、伸び伸びと謡い、初々しく舞えたらなぁ、と。

末端中の末端、ペーペーの弟子は弟子なりに、
今までの練習の成果を出したいですね。

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国立能楽堂の図書館に行ってみた。



写真は、千駄ヶ谷にある国立能楽堂の図書館。

能や狂言に関する文献や謡本、映像がたくさんあります。
能楽、演劇や芸能関係の雑誌も最新刊が置いてあるので、
公演がある日は早めに来て、論文などをチェックしておくと、
芸能史の調べ物をするとき、役立ちそうです。

また、ビデオなど視聴覚施設もあります。(要事前予約・有料)
いろいろな流派の過去の名演、名手の記録を自由に楽めるのは、
国立の施設の良いところなんでしょうね。
お稽古をつけてくださっている先生の舞台は、一度しか見たことがなく、
せめてビデオだけでも見てみようかと思っています。

びっくりしたのは、検索するためのデータベースがないこと。※
昔の図書館のように、未だにカード式なのです。
カードを一枚一枚めくるのは久々で、とても面食らいました。
こういうところに予算はつかないのでしょうかね・・・

そんなこんなで、引き続き、能に対する興味は高止まりの状態。
謡と仕舞のお稽古で、うまくできない時など落ち込んだりしますが、
「『ちはやふる』みたいに、畳の上で頑張れるヤツになるんだ〜」と、
自分を元気付けています。(私のお稽古は畳じゃなくて、床だけど)
足の甲が硬くなってきたら、少しは進歩してるんじゃないかなぁ。

※5/21追記
このエントリーを書いた後、また少し調べてみたら、
国立劇場の図書室のHPに蔵書検索機能がありました。
能楽堂も検索可能で、一般図書のデータが入っています。
よく考えたら、学術コンテンツポータルのGeNiiで検索をかければ、
Webcat Plusの所蔵館情報に能楽堂の名も上がってきます。
全くデータベースがない訳ではないので、追記させていただきます。
いずれにせよ、現地ではカードで検索しなければなりません。
データベース化されていない範囲が相当残っているためでしょうか・・・。

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謡曲と仕舞を習いに行く。

先月、生まれて初めて「能」というものを見ました。

その衝撃の大きさは、今もって収束する気配もなく、
ついに、謡曲と仕舞を習いに行くことにしました。
初心者ゆえの無謀。・・・・我ながら恐ろしいです。

今回は某カルチャーセンターのお教室なので、
期間も短く、ハードなものにはならないでしょう。
ただ、今まで一度も体験したことのない、未知の世界。
講座が終わったとき、続けたいと思っているのかどうか、
やっぱり「見る専門」の方が気楽でいいや、と
諦めているのかどうか。自分としても楽しみです。

この一年を振り返ってみると、大学に通うことがなければ、
巡り会わなかったものがとても多いことに気が付きました。
歴史や美術の世界、能、大学の友達や先輩、京都との縁。
全て、「これからの私」の財産になっていくでしょう。

人生っていろんなことが起こるなあと、改めて感じます。

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能デビューだ!


東京・千駄ヶ谷の国立能楽堂に行ってきました。

生まれて初めて見た能は、『国栖』です。
舞台は、山深い吉野。
大友皇子の手の者に追われる大海人皇子と、
それを助ける国栖の里の人々を題材にしたお話です。

能には全く詳しくないので、ストーリーなどは、
大槻能楽堂のサイトから見ていただければと思いますが、
能楽師・塩津哲生さんの芸に圧倒されましたね〜。
役柄もあるんでしょうが、ラストの舞は本当にカッコ良くて、
とても大きく見えました。

正直言って、何だか不思議な体験でした。
次回は、3月14日の『忠度』。今からすごく楽しみです。

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はじめての能。(まだ予約だけど)


3月は、生まれて初めて、「生」の能を見に行きます。

そのチケットが本日AM10:00より発売開始。
早速電話したら、つながるまで30分近くかかりました。
・・・意外とつながらないものですね。
「外タレやジャニーズ系のコンサートではないし」と、
タカをくくって、のんびりリダイヤルしていたせいもありますが。

最終的に、脇正面が1000円前後安くなる学割を使って、
国立能楽堂で行われる3公演のチケットをとりました。

一番楽しみにしているのは、3月14日の普及公演。
能の演目は世阿弥作の「忠度」です。

「忠度」といえば、東博で昨年開催された「大琳派展」に、
伝俵屋宗達の『忠度出陣図屏風』が出品されていました。
この屏風は、平清盛の末弟である忠度が、都落ちする直前、
和歌の師である藤原俊成のもとを訪れ、別れる場面を描いたもの。
後ろを振り返る忠度と、それを見送る俊成の姿。
画題を特に知らなかったとしても、印象的な人物の配置から
万感の思いを込めた別離であることがよく分かる作品でした。

能「忠度」も、和歌や俊成に関連したもの。
死してなお歌の道に強い愛執の念を残す、という忠度像は、
能の題材にぴったりです。
世阿弥自身も、気に入っていた作品。
彼の悲哀、人生をじっくり味わってこようと思います。

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