Pippi日記

本・音楽・軽井沢の徒然Blog

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- : -

根津美術館の庭園とエントランス。


東京・青山の根津美術館です。
ご存知の方も多いと思いますが、3年半にわたる工事を経て、
10月にリニューアルオープンしました。

今日、NHK教育「日曜美術館」の放送を見て、
オープン直後に撮った庭園の様子をUpしていないことに気付き、
せっかくなので載せようと思い立ったのでした。
季節遅れの感もありますが、何卒ご容赦ください。


庭園のアプローチ。
まっすぐ行くと、カフェがあります。

そこを右手に曲がると、都心とは思えない豊かな緑。
苑路に沿って、茶室や石造物が点在しています。

   

   

  

あっちを見ては写真を撮り、こっちを見ては銘を読み。
目を楽しませてくれると同時に、歩がどんどん遅くなります。

起伏に富んだ苑内は、どこを歩いてもつい立ち止まってしまいます。
雲の流れを追いかけ、日が傾いていくのを待ち・・・
そんな風に、一日中いたくなるような場所でした。

※上の写真は10月上旬の様子ですので、
 今ならもっと紅葉がきれいなのではないかと思います。
 詳細は、根津美術館の庭園マップをご覧下さい。


最後に、根津美術館の特徴でもあるエントランス脇のアプローチを。


産経のインタビューで、設計した建築家・隈研吾さんは、
表参道は賑やか、浮き立つ感じで、やかましい。
そこから人をどう静かな気持ちにするか。
表参道に近い場所に入り口を作らず、クールダウンするための道を設けた。
茶室の露地空間みたいに、屋根の庇(ひさし)と竹林に囲まれたところを
何十メートル歩いて、根津モードに入ってもらう。
美術館の入り口では画期的だと思う。
と語っています。

なるほど、「根津モード」ですか。
確かに、この竹と石の組み合わせがいいんですよね。
竹は節がバランスよく並んでいて、とても美しいものでした。
よくこれだけ集めたなぁ、という感じ。

外から内への動線に、とても目が行き届いている建築でした。
・・・と言いながら、私はいつも骨董通りから行くので、
実は「根津モード」にならず、そのまま館内直行なのでした。(汗)

comments(6) : -

今秋、若冲の「動植綵絵」が見られるかも。

日本美術好きの方々の間では、すでに話が出ていましたが、
先月末、宮内庁より東博で「皇室の名宝―日本美の華」が
今年の10月に開催されることが発表されました。

東京国立博物館(年間の特別展・平常展)
 ※読売新聞の記事はこちら

天皇陛下の即位10年を記念し、皇室ゆかりの名宝を集めたもの。
会期は10月6日〜11月29日、前・後期で展示替えあり。

御物のほか、正倉院、三の丸尚蔵館、書陵部、京都事務所で
管理されている日本美術の名品を一堂に集めるのだそうです。
絵巻の名品「春日権現験記絵」、永徳「唐獅子図屏風」など、
古代から近代までの約180件の出展が予定されています。

三の丸尚蔵館と聞けば、伊藤若冲の「動植綵絵」が出るかどうか、 個人的にはとてもとても気になります。 今のところ「出る予定」と聞いているので、出品リストの公表を 期待して待ちたいと思います。

ところで、今回の特別展は即位20年を記念したものですが、
10年前、つまり10周年のときも同様の展覧会が開かれました。
図録の画像はこちら。

今回の出展リストはまだ公表されていませんので、
とりあえずこちらを参考にするか、と思ったりしています。

それにしても、最近の東博はすごいです。
阿修羅展と並行してカルティエ展、秋の「皇室の名宝展」前に、
さりげなく伊勢神宮展があったり、来年2月に長谷川等伯展を持ってきたり。
パスポートのハンコを押すところ、全然足りません。(泣)

comments(0) : -

障壁画の魅力。

今、障壁画に関する文献をまとめて読んでいます。

分厚い大型本が多く、とても自腹で買えるような本ではないので(古書であっても)、都立中央図書館に通って、必要なところだけコピーを取るようにしています。

障壁画とは、襖絵、杉戸絵、壁画、壁貼付絵などの総称。
建造物に付随する絵画であることから、絵画として単独の存在にとどまらないところが大きな魅力です。
空間全体を意識して初めて見えてくることがあるからです。

京都では、二条城二の丸御殿、智積院、南禅寺大方丈、金地院などを見てきました。
東京に戻り、時間をかけて図版を見ていると、「接客の場」としての機能性、
空間と絵画の一体化を改めて感じます。

comments(0) : -

【訃報】さよなら、アンドリュー・ワイエス

先週16日、アンドリュー・ワイエスが亡くなりました。

ペンシルベニアの自宅で、就寝中に息を引き取ったのだそうです。
91歳という高齢でしたから、先日の美術展でまだ存命であることを
喜んでいたばかりでした。

13年前、渋谷のBunkamuraで開催された美術展で出会ってから、
私にとっては、ずっと「一番好きな画家」でした。
歴史や美術を勉強するようになり、たくさんの絵画を見るようになっても、
それは変わりませんでした。

作品が残ることとは別に、大切に思っていた存在が消えてしまうことは、
とても悲しいです。自分の中で、ある特定の場所を占めていたものが
突然失われるのは、こんな風にしみじみと寂しいものなのかと。

心から哀悼の意を表します。

comments(0) : -

アンドリュー・ワイエス展ー創造の道程ー



渋谷のBunkamura「アンドリュー・ワイエス展ー創造の道程ー」
見てきました。

概要と主な展示品は以下の通りです。
■展覧会名   アンドリュー・ワイエス展ー創造の道程ー
■会  場   Bunkamuraザ・ミュージアム
■会  期   2008年11月8日(土)〜12月23日(火・祝) 
        ※開催期間中無休 
■開館時間   10:00〜19:00(入館は18:30まで)
        ※毎週金・土曜日21:00まで(入館は20:30まで)
■主な展示品  自画像
        火打ち石
        松ぼっくり男爵
        そよ風
        三日月

今回の企画の面白さは、テンペラ画の他、水彩やスケッチを中心とした
習作を数多く集めたところにあると思います。
残念ながら、「クリスティーナの世界」や「さらされた場所」といった
代表作を楽しむことはできませんでしたが、ワイエスが好きな方、
ご自身で絵を描かれる方などにとっては、目が釘付けになる作品が
多かったのではないでしょうか。

また、肖像画や人物が登場する作品が少なめで、荒涼感漂う自然を
描いた作品が比較的多かったことも印象に残りました。
(シリやヘルガを楽しみにしていた方はちょっと残念だったかも。)

特に、水彩の作品は、本当に素晴らしかったです。
筆の勢いを活かしたタッチ、水彩とは思えない緻密な描線、
油絵のように重ねられた色。
そうかと思えば、水気をたっぷり含んだ多彩な黒(灰色?)。
何だか、水墨画を見ているような気分になりました。

制作過程を垣間見つつ、ワイエスの意図やこだわりがどこに
あったのかに触れられる、意欲的な企画。
13年前、同じBunkamuraザ・ミュージアムで受けた衝撃とは
ひと味違った感動を体験することができました。

comments(0) : -

やられた・・・

今日は、大学の後輩のTくんと「巨匠ピカソ展」に行こうと、
六本木のミッドタウンで待ち合わせました。

ところが、サントリー美術館は火曜休館。
乃木坂の国立新美術館も同じく。
やられた・・・
「普通の美術館は月曜休館なのに〜!」
悔やんでも既に遅し。

てなわけで、急遽予定変更。

一路、両国へ。お目当ては江戸東京博物館です。
本日スタートの「ボストン美術館・浮世絵名品展」で、
ビゲロー・コレクションを中心とした名品が一挙公開。
展覧会のキービジュアルに使われている国政を見られたし、
終わりよければ、すべて良し、です。

comments(0) : -

4兆円の大スペクタクル。北京オリンピックの開幕式

いやー、本当にスケールの大きい開幕式でした。
費用は、総額400億ドル(約4兆3800億円)だそうですよ。

広いスペースを大胆に使い、大人数で一糸乱れずのパフォーマンス、
そして、中国の文化と伝統に裏打ちされた様々な演出。
そこに、陰陽、儒教や道教などの影響を受けたモチーフ、価値観が
随所に散りばめられていたのには、瞠目するばかりでした。
いろいろな見立てが可能で、想像力が刺激されましたし、
最後には、五輪すら中国の「玉壁」に見えてきたほどです。

報道では、総指揮のチャン・イーモウ監督の話が多いですね。
私が一番注目していたのは、現代アートの巨匠、蔡国強演出の花火でした。
上海でのAPECで行われた、テレビ塔炎上の花火の印象があったので、
「鳥の巣も炎上か!?」とかなり期待していました。
観客と首脳クラスがいるからか、さすがにそこまではやりませんでしたが、
開会式開始後、足あとの形をした花火が会場に近付いてくるあたりなどは、
素晴らしかったですね。

いずれにしても、中国の威信がかかった北京オリンピック。
採算度外視だからこそ生み出せる、極めて芸術的な開幕式でした。
現在の中国はいろいろな問題を抱えていますが、
開会式については、数千年の歴史の厚みと深さを本当に感じました。

もし、東京オリンピックが開催されたとして、
ここまで自国を熱く、美しく表現できるでしょうかねぇ・・・

comments(2) : -

東京国立博物館『対決ー巨匠たちの日本美術』展

行ってまいりました、東博の『対決ー巨匠たちの日本美術』展。

金曜は、比較的空いている夜間開館があります。
それを狙って出かけましたが、やはり注目度が高いのでしょうか、
なかなか盛況でした。

混雑状況ということでは、絵の周りに多少人垣ができる程度。
来場者の方の頭部しか見えない、という状況ではありません。
人の波が途切れれば、正面からゆっくり観覧することができるので、
まだ余裕がある感じです。

今日はチケット売場の行列や入場規制もなく、スムーズでしたが、
今週末は、展覧会スタート後の最初の土日。どうなるでしょうか。
情報はこまめにチェックしておこうかと思います。

また、7月の金曜日限定で、夜間開館(17:00〜19:30)の
来場者(先着200人)には、山口晃さん描きおろしの巨匠カレンダー
もらえます。→詳細はこちら
ただし、自動的に入場者全員がもらえる訳ではなく、インフォメーション
カウンターでキーワード(合い言葉?)を言わなければなりません。
Webでの告知だけなのか、まだあまり知られていないように思います。

あっ、絵について全く触れていませんね。(汗)
素晴らしいのは自明の展覧会ですし、何度か行く予定もありますので、
後日まとめて書こうと思います。

comments(0) : -

明日スタート! 東京国立博物館『対決ー巨匠たちの日本美術』展



先月から当ブログの右上にブログパーツを貼付けていますが、
いよいよ明日から『対決ー巨匠たちの日本美術』展がスタートします。

概要と主な展示品は以下の通りです。
■展覧会名   特別展「対決−巨匠たちの日本美術」
■会  場   東京国立博物館 平成館
■会  期   2008年7月8日(火)〜8月17日(日) 
■開館時間   9:30〜17:00
        ※ただし、土・日・祝・休日は18:00、金曜は20:00まで開館

■「対決」する巨匠(以下、東博HPより引用)
 ・ 運慶 vs 快慶  ―人に象る仏の性―
 ・ 雪舟 vs 雪村  ―画趣に秘める禅境―
 ・ 永徳 vs 等伯  ―墨と彩の気韻生動―
 ・ 長次郎 vs 光悦 ―楽碗に競う わび数寄の美―
 ・ 宗達 vs 光琳  ―画想無碍・画才無尽―
 ・ 仁清 vs 乾山  ―彩雅陶から書画陶へ―
 ・ 円空 vs 木喰  ―仏縁世に満ちみつ―
 ・ 大雅 vs 蕪村  ―詩は画の心・画は句の姿―
 ・ 若冲 vs 蕭白  ―画人・画狂・画仙・画魔―
 ・ 応挙 vs 芦雪  ―写生の静・奇想の動―
 ・ 歌麿 vs 写楽  ―憂き世を浮き世に化粧して―
 ・ 鉄斎 vs 大観  ―温故創新の双巨峰―

ふー、書いているだけでも、お腹いっぱいな展覧会です。

1ヶ月強の短い会期ですが、『対決』という企画とネーミングの勝利で、
開催前から大きな注目と期待を集める展覧会になったと思います。
巨匠たちは「勝手に対決させられてもねえ」と、あの世でボヤイテいる
かもしれませんが、これだけ超メジャーな作品を一度に観られる機会は
そうそうありません。

ところで、展示作品数は国宝が10件ちょっと、重文が約40件、
全体でだいたい100件くらいのようです。(ただし、展示替えあり)
全作品を集中して観るのもしんどいため、最低2回、
できれば3回くらい行きたいなぁと思っています。

【個人的に注目している『対決』】
 1)雪舟 vs 雪村・・・慧可が腕を切り落とした「慧可断臂図」が楽しみ。
 2)永徳 vs 等伯・・・これこそ「対決」。闘志メラメラ、真のライバル。
 3)若冲 vs 蕭白・・・京都の奇人対決。「群仙図屏風」が楽しみ。
 4)応挙 vs 芦雪・・・クソ真面目な師匠と奔放な弟子の対決。

【関連サイト】
開催概要(東京国立博物館) 
展示品リスト(東京国立博物館)
展覧会公式サイト(朝日新聞社)
展覧会『外伝』サイト(朝日新聞社)

comments(0) : -

東京国立博物館「国宝 薬師寺展」(その2)



東博からの帰り道。すっかり日が暮れていました。
さて、「国宝 薬師寺展」のお話の後半です。 ※前半はこちら


◆予想外に大きかったもの、予想外に小さかったもの
前者は、水煙のこと。後者は、吉祥天像のことです。

薬師寺東塔のてっぺんにある水煙。
普段は下から見上げるだけですから、間近で見るのは当然初めて。
模造品でしたが、いかに大きく美しいものかを知るには十分でした。
4枚の水煙に、24人の飛天が透かし彫りされています。
火炎の模様をバックに、笛を吹いたり、軽やかに舞ったり。
実物は、西ノ京の空でどんな風を受けているんでしょうかね。

会場には相輪のレプリカもありました。これもすっごい大きい。
まるで丸太です。
東塔の高さは、相輪を含めて約34m。
どうやって屋根の上に乗せたんだろう? 全く想像がつきません。

反面、「小さい!」と驚いたのが展示の最後に登場した吉祥天像。
周辺のパネルに拡大した像がプリントされていたので、
それを見ている人も多かったように思います。
でも、実物を見てしまうと、その場を離れがたくなります。
彩色が美しく残っており、とても奈良時代の絵とは思えません。
ラストを飾るにふさわしいものでした。


◆展示力がすごい!
日光菩薩立像と月光菩薩立像の展示は、目からウロコでした。
こんな風に見られるのは、最初で最後ではないでしょうか。

予想通り人が集中していましたが、両立像の周囲に広いスペースを確保し、
近くで見たり、少し離れて見たり、光背がないので360°ぐるっと見たり、
さまざまな角度から楽しめるよう工夫されていました。
また、少し高い位置からも見られるように、との配慮でしょうか。
通路がスロープになっており、一番高いところにあるベランダのような
スペースからも観覧することができました。

通路の工夫は本当に見事でした。
展示室の仕切りも兼ねていると思うのですが、聖観音菩薩立像を見た後、
上りのスロープで一旦視界が遮られます。
歩を進めると、目の前が開け、高い位置で両立像と目が合います。
そして、今度はスロープを下りながら、像に近付いていく。
これがなかなかドラマチックで、舞台の巧妙な場面転換を見るようでした。

展示室は赤と黒が基調で、古色蒼然というイメージが全くありません。
ライティングも素晴らしかったです。
屋内で仏像を見るメリットの一つは、こうした展示の工夫にありますね。
いろんな意味で、刺激を受けました。


正直、気合いを入れて出かけた訳ではありませんでしたが、
会場に足を踏み入れると、かちりとスイッチが入ってしまいました。

今日、両菩薩のお二人は光背を取り付け、金堂に安置されたそうです。
私のイメージでは、夏の青空が一番似合うお寺が薬師寺。
展覧会は終わりましたが、これからがベストシーズンの始まりです。

comments(0) : -